こんにちは、ドクタールウです。
今回は食品添加物についてです。
合成着色料と食品添加物は子供の多動性を高める?
注意欠損多動性障害(ADHD)ではないのに、活動過多、衝動的、注意散漫といった行動特徴を示す子供がいる。英国Southampton大学のDonna McCann氏らは、無作為化二重盲検試験により、合成着色料と食品添加物(AFCA)の日常的な摂取が、そうした行動を引き起こす可能性を示した。詳細はLancet誌2007年11月3日号に掲載された。
30年以上前から、AFCAが子供の行動に影響を与えるとの報告があった。推定される有害事象は、ADHDの患者に見られる症状と重複する。先ごろ行われたメタ分析では、AFCAがADHDの小児の行動に有意な影響を及ぼすことが明らかになっている。AFCAは、ADHDではない普通の子供たちにも影響を与えているのか。著者らは先に、英ワイト島で小規模試験を行い、3歳児に特定の組み合わせの食品添加物を与えると多動性が増すことを示唆する結果を得ていた。そこで今回は、多動性の評価指標を増やすとともに、より年齢の高い8〜9歳児に対する影響も調べた。
中略
負荷飲料として準備したのは、外見も味も全く同じで、含まれるAFCAが異なるミックスAとミックスB、そしてAFCAを含まない飲料(プラセボ)。個々の被験者がすべての飲料を経験するクロスオーバー方式で行った。ミックスAはワイト島研究で用いた組成と同じ。ミックスBは、現在英国の小児が毎日摂取している平均的な量の食品添加物を含むようにし、どちらのミックスにも保存料として使用されている安息香酸ナトリウムを加えた。安息香酸ナトリウムは、ワイト島研究のみならず他の研究によっても多動性への影響が示唆されている。
著者らは、「子供一人ひとりのAFCAに対する反応には差があるものの、合成着色料、安息香酸ナトリウムを摂取すると、一般の集団の中の3歳児と8〜9歳児の多動が増すことが明らかになった。どの成分が特に有害なのかは、今後確認していく必要があるが、得られた結果はAFCA規制に大きな影響を与えるだろう」と述べている。行動の変化を正確に評価することは難しいため、AFCAと多動の関係についてはさらに研究が必要だと思われるが、今回の結果は、合成着色料、食品添加物の必要性について考える良い機会になる。
なお、今回用いられたAFCAの中で、日本でも食品衛生法で指定を受けているもの(安息香酸ナトリウムを含む)については、清涼飲料水、ゼリー、キャンデー、菓子、ジャムなどに用いられている。
お母様方、どうか参考に