こんにちは、ドクタールウです。
今回は、「薬害肝炎」についてです。
薬害肝炎「国に解決責任」 補償限定に患者側拒否 「多くの命救う」と厚労相 大阪高裁が和解骨子案
記事:共同通信社
提供:共同通信社
汚染された血液製剤でC型肝炎になったとして、患者が国と製薬会社に損害賠償を求めた薬害肝炎大阪訴訟の控訴審で、大阪高裁(横田勝年(よこた・かつとし)裁判長)は13日、「国に解決責任がある」とした上で、東京地裁判決を基準に補償範囲を限定した和解骨子案を当事者に提示した。
舛添要一厚生労働相は「できるだけ多くの命を救う観点から、あらゆる可能性について協議していく」と述べた。
和解骨子案は、国と製薬会社の法的責任には触れずに、「解決責任がある」と指摘。謝罪することも盛り込んだ。
東京地裁判決を基準に、補償の対象となる投与期間を(1)フィブリノゲンは1985年8月?88年6月(2)第9因子製剤は84年1月以降と限定。その上で、肝硬変と肝がんは4000万円、慢性肝炎は2000万円、感染したがまだ発症していない場合は1200万円の3ランクに分けて補償する。
今後新たに提訴する患者は、投与時期がこの範囲内なら補償されるが、範囲外は救済されないことになる。
既に提訴している範囲外の患者を救済するため、原告・弁護団に訴訟遂行費などとして8億円を支払う。また、再発防止策や被害者と国との定期協議などの恒久対策は、引き続き協議するとしている。
弁護団によると、この基準だとフィブリノゲンでC型肝炎を発症した418人の患者リストのうち、約3分の1が対象外となるという。
患者側は、全面解決に向け全員一律、一括の和解金を要求。高裁は骨子案と同時に示した所見説明書で「原告案は望ましい」としたが、「5地裁の判決内容に反する要求で、国・製薬会社側の格段の譲歩がない限り提示しない」とした。
高裁は、年内の基本合意成立に向け、20日までに骨子案に対する回答を求めている。
これまで5地裁であった1審判決は仙台地裁を除き、いずれも国と製薬会社の責任を認定したが、責任の発生時期の判断が分かれた。
高裁は11月に和解を勧告。12月7日までに和解骨子案を提示する予定だったが、6日に延期を表明した。骨子案の基本部分は当事者に口頭で既に伝えていたが、この日、公表しなかった。
▽薬害肝炎訴訟
薬害肝炎訴訟 出産時や手術の止血用に、汚染された血液製剤「フィブリノゲン」などを投与されC型肝炎ウイルスに感染したとして、全国の患者らが2002年10月から国と製薬企業を相手に東京、大阪、仙台、名古屋、福岡の5地裁で提訴。昨年6月の大阪地裁判決を皮切りに、仙台を除く4地裁で国の賠償責任が認められ、大阪高裁が11月に和解を勧告した。製薬会社の推計では、1980年以降だけでフィブリノゲンは約28万人に投与され、約1万人がC型肝炎を発症したとされる。カルテが残っていないことが多く、現在の原告数は約200人。
これは「救済」ではなく、国による犯罪の「補償」ではないか?