こんにちは、ドクタールウです。
今回は、あなたに関係ある問題です。
ちょっと難しいですが、題名でもなんとなくわかりますか?
第7の地雷 花粉症シーズン到来、ステロイド点眼の恐い話
眼が疲れるということで眼科に来た患者が
「ところで私はスギ花粉症で、以前に耳鼻科で点眼薬をもらっていて、とってもよく効きました。そろそろシーズンなので、同じものをこちらでも出してもらえますか?」
もちろん眼科なので、点眼薬の処方を出せますよということで見せてもらったものは、0.1%フルオロメトロン点眼薬(商品名:フルメトロン)。
「えっ?? これだけですか? 他に点眼はもらっていませんでしたか?」
「いいえ、毎年これだけです。すごく効きますねえ」
ステロイド薬による眼圧上昇は遺伝によるものといわれている。0.1%ベタメタゾン、あるいは0.1%デキサメタゾンの点眼投与により、約3分の1もの症例で眼圧上昇が起こる。眼圧上昇が見られても、ほとんどの場合、ステロイド薬を中止することで眼圧は元にもどるが、そのまま緑内障に進行する例がある。また、原発開放隅角緑内障の発症の危険因子として、このステロイドへの反応性があるとされており、ステロイド薬の投与で眼圧が上昇した場合には、眼科における経過観察が必要である。
冒頭の患者が処方されていたフルオロメトロンはステロイドの力価が低く、眼圧上昇の副作用は上記のステロイド薬より少ないとされている。しかし、眼圧はよほどの上昇がない限り自覚症状がないため、眼科での計測が必要である。
また、ステロイド内服中は日和見感染を起こしやすいことからも分かるように、ステロイド薬点眼をしていると、眼表面がやはり感染に弱い状態になる。眼科手術など日和見感染を起こす因子がほかになければ感染の可能性は低くなる。しかし、アレルギー性結膜炎の重症例では角膜上皮にも障害があり、ステロイド薬点眼をそこに使用することで感染を起こすことがある。