こんにちは、ドクタールウです。
いよいよ4月の診療報酬改定も近づいてきました。
毎回のことですが、改定のたびに開かれる講習会、勉強会にはうんざりです。
しかし、今回の改定はいろいろな意味でいままでのものと違い問題山積です。
今回から、診療報酬について取り上げていきます。
保険医協会のいうように、「老人に死ねというのか」という改定です。
広島国際大・谷田氏 医療機関にとって「手間ばかりかかる」改定 踊らされず「じっと我慢の子」も方策
記事:Japan Medicine
提供:じほう
【2008年3月14日】
近畿病院団体連合会(近病連)の事務長会が7日、奈良市で開かれた。講演した広島国際大医療福祉学部医療経営学科准教授の谷田一久氏は、2008年度診療報酬改定を含めた一連の医療制度改革について、「サービス業としての実験は失敗に終わった」などと批判した。また、今後の医療経営に必要なキーワードとして、<1>基軸に戻れ<2>じっと我慢の子<3>名誉と権威の分配-の3点を挙げた。
谷田氏は、医療制度改革の中で国が医療をサービス業ととらえていることや、診療報酬を医療サービスの対価のように考えていることを問題視。08年度診療報酬改定も、「さも価格付け、コストの補填(ほてん)のように書かれている」と述べ、「(医療機関にとっては)言いがかりのような、手間ばかりかかる改定になってしまっている」と批判した。
具体的な改定項目の問題点としては、明細書交付の義務化や医師事務作業補助体制加算などを指摘。明細書の交付については、「本来、保険者が義務として被保険者に医療の内容を開示するべきもの」とし、義務化の在り方や効果自体を疑問視した。
また病院勤務医の負担軽減策として導入される医療クラークについては、「本来は医師に効率的に働いてもらうためのもので、(医師だけでなく)さまざまなサポートをしていい」と述べ、医療クラークの業務を医師の補助に限定していることを「古い考え方」と批判した。
他方、公立病院改革にもかかわっている立場から、総務省などが進めている公立病院改革には、公立病院=悪、民間病院=善といった「民間信仰」が根底にあると指摘。「公立にも民間にもいいところもあれば悪いところもある」として、経営効率や競争原理を重視した改革の方向性を疑問視した。
その上で、医療制度改革を乗り切るための病院経営に必要なキーワードとして、前述の3点を指摘。「基軸に戻れ」として、社会基盤としての医療の原点に立ち返る必要性を強調するとともに、改定にあまり踊らされずに医療の質を高め、「じっと我慢の子」でいることも必要とした。
また、医療機関の運営をスムーズに進めるためには、「組織として権威と名誉の分配の仕掛けがいる」と述べ、プライドにも配慮した人員配置が有機的な組織体構築に必要との考えを示した。
この日の事務長会では、08年度診療報酬改定の影響について、一般の急性期病院では1%弱の減収になるところが多いことが報告された。
大阪府私立病院協会事務長会の田口義丈会長は「(本体のプラス分が)われわれ一般の病院にはなかなか回ってこなかった。勤務医対策が中心になっているが、第一線の地域医療を担っている市中病院にはあまり報われない配分だ」と問題視した。
大阪府私立病院協会事務長会の幹事会が緊急に行った置き換え試算では、ほとんどの一般の急性期病院は1%弱の減収になった。田口会長は、10対1入院基本料の増点など評価できる部分はあるものの、小児入院医療管理料1や入院時医学管理加算などの要件の厳しさを考えると、公的病院など大規模で総合的な診療機能を持った病院に有利な改定になっていると指摘。今回の改定は「公的病院の救済対策」的な面があるとした。
京都私立病院協会事務長会の中谷泰幸委員長も「民より官、中小より大病院志向」の配分になっていると批判した。他府県の病院団体からも1%弱の減収となる病院が多いことが報告され、「DPCを取っている病院以外はマイナス」「民間の100-200床の病院はさらに厳しくなる」などの意見がみられた。
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