2008年05月26日

厚生労働省、問題山積み

こんにちは、ドクタールウです。

今回は、厚生労働省のある委員会の話題です。

以前、桝添大臣が厚生労働省の仕事が膨大であり大臣がもう2,3人必要だと発言したことがありますが、
大臣よりも官僚に問題があるようです。

「なぜ医療機関からの副作用報告が少ないか」と質問が  - 2008/05/26

 
先週の金曜日(5月23日)、厚生労働省で、「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」の第1回会合が開催されました。

 その席上、ある委員から出されたのが、「なぜ医療機関からの副作用報告が少ないか」という質問です。
 医薬品の副作用・感染症報告は、企業のみならず、2003年度からは医療機関にも義務付けられています。2007年度は年間3万2148件の報告のうち、医療機関からの報告は3891件で、それ以外は企業によるものです。確かに数字だけを見れば、先の質問の通りです。しかし、ある薬を投与して、何か予期せぬ有害事象が患者さんに生じた場合、「これは副作用だ」とすぐに同定することは難しく、企業に問い合わせ、その企業が集約して報告するケースが多いのが実態でしょう。


 厚労省が何も解説をせず、数値だけを提示したために、先の質問が出てきたわけです。別の委員がこうした現状を解説していましたが、「数字は一人歩き」しがちです。行政当局は膨大なデータを持っているだけに、その扱いには注意してもらいたいとの思いを抱いた一場面でした。

「厚労省とPMDA一本化求める声も」

 さて、この検討会は、今年3月、薬害肝炎訴訟で、原告弁護団と国が合意した、和解のための「基本合意」に端を発しています。二度と薬害を起こさないために、薬害肝炎の経緯を検証するとともに、薬害の再発防止に向けて薬務行政を見直すのが目的です。薬害肝炎全国原告団の方、医療関係者や弁護士など、計20人が検討会の委員です。


 まず今夏までに集中的に審議し、8月の2009年度予算概算要求までに、早急に実施すべき施策をまとめると同様に、別途スタートする研究班で薬害肝炎の検証作業を進めるスケジュールになっています。


 副作用報告や再発防止・安全対策については委員から
「副作用報告は、オランダのように、患者自身もできるようにすべき」
「副作用などに関する大規模データベースを構築し、企業や研究者も広く活用できるようにしてほしい」
など様々な意見が出されました。(1)どんなルートで副作用報告を上げるか、(2)副作用報告をどのように分析・評価するか、(3)結果をどのような形でフィードバックするか、といった点の検討も必要になります。
 
 さらに、こうしたことを実現するために、
「医薬品医療機器総合機構(PMDA)と話しをしていても、最終的には本省(厚労省)に行かないと決定しない。両者を一本化してほしい」
「安全対策には、医療の現場を知った人材が必要。数の充実を図るだけではなく、PMDAや厚労省が、医療機関や企業から人材を確保する一方、医療機関などにも職員を派遣することも必要」
などの指摘がありました。医薬品の承認や安全対策は、厚労省とPMDAが分担・連携して実施していますが、米国ではFDA(食品医薬品局)が一元的に実施しています。

 なお、この検討会、約2時間にわたりましたが、そのうち約20分間、舛添要一・厚生労働大臣も出席しました。薬務行政、後期高齢者医療制度、医師不足問題、救急や産科をはじめとする医療提供体制の問題……。課題山積の厚労省。医療が大きな転換期を迎えていると表れとも言えます。
 
posted by ドクタールウ at 22:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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