こんにちは、ドクタールウです。
今回も「タミフル」などの抗インフルエンザ薬についてです。
最近、この手の報告がだされていますが、政府、厚生労働省の信用ががたおちの今日このごろ、
どこまで信用できるか?
チェイニー元米国務長官が「タミフル」関連で大儲けしていた事実をわすれないぞ。
危険な異常行動は男児に多く、抗インフルエンザ薬の有無に関わらず発生
インフルエンザに伴って異常行動を呈した症例の特徴が明らかになった。2005/2006、2006/2007の2シーズンに把握された130例を分析したもので、危険な異常行動例は男児に多く、また抗インフルエンザ薬の使用の有無に関わらず異常行動が発生していることも分かった。第39回日本小児感染症学会で、日本小児科学会神奈川地方会感染症委員会の高橋協氏らが報告した。
130例を異常行動・言動の分類(厚生労働省の横田研究班の基準)でみると、事故につながったり他人に危害を加えたりする可能性があるものは22例、幻視、幻覚、感覚の混乱は42例、うわごと、歌を歌う、無意味な動きは36例、おびえ、恐怖、怒る、泣き出す、笑う、無表情、無反応は17例だった(表1)。このほか、けいれん1例、髄膜炎1例、興奮5例があり、また6例は異常行動の詳細は不明だった。
調査結果で特徴的だったのは、異常行動例は男児に多いことだった。130例の男女比は男子1.8対女子1の割合だった。また、年齢分布にも男女の違いがあり、平均年齢は男子8.5歳 女子6.3歳と、有意に男子の年齢が高かった(図1)。
異常行動・言動の分類では、特に危険な行動のうち「飛び出し・飛び降り」は19例にみられた(危険のあったものを含む)。また他人に対して危害を加えそうになった例には、興奮して親の首を絞めた6歳男児、掃除機を振り回した13歳男児の例があった。このほか、箪笥に登り飛び降りた9歳男児の例もあった。
異常行動の分類ごとに平均年齢をみると、危険度の高い群(表1のA)が年齢が高いという特徴があった(図2)。男女別では、A群は男子に多く女子に少ない傾向があった(図3)。
飛び出し・飛び降りの19例については、神経学的評価も実施した。報告内容を神経内科医が判定したところ、幻覚、幻視などの異常に伴うものは9例、夢様状態に伴うものも9例あった。不随意運動の可能性があるものは1例だった。
注目される抗インフルエンザ薬との関係では、オセルタミビルとアセトアミノフェンについて解析された。その結果、オセルタミビル内服の有無によって、異常行動の4つの分類間で発生の頻度に差は見られなかった(図4)。つまりオセルタミビル内服によって、危険な行動であるA群が他の異常行動に比べて増加する傾向は認められなかった。これはアセトアミノフェンでも同様だった(図5)。
(三和護=日経メディカル別冊)