こんにちは、ドクタールウです。
今回もタミフルについてです。賛否両論ありますが、厚生労働省の発表については、慎重に判断する必要があります。
なにしろ、あそこは「製薬会社」と「米国」のおかかえ研究機関ですから。
表層深層」 医療現場の戸惑い続く 「調査続ける」と中止継続
記事:共同通信社
提供:共同通信社
異常行動や突然死との因果関係はあるのか、ないのか。インフルエンザ治療薬タミフルをめぐり、厚生労働省の安全対策調査会は25日、「現時点で因果関係を示唆する結果は得られていない。さらに調査を続ける」などとして、10代への投与を原則中止した現行措置の継続を決めた。「特効薬」ともてはやされた薬が制限された医療現場。その戸惑いは、今冬も続くことになる。
「原則的な中止と言っても、何かあったらと思うと使いにくい」と、川崎市の50代の内科医は話す。以前は「むしろ積極的にタミフルを勧めていた」が、今冬は処方する機会が大きく減った。
販売元の中外製薬によると、2001年の販売開始以降、タミフルの推定使用者数は延べ約3600万人。「患者の2人に1人が使った計算」(横山俊二(よこやま・しゅんじ)医薬品安全性ユニット長)で、ピークの04-05年シーズンは約1070万人に達したが、異常行動がクローズアップされた昨冬は約470万人と半数以下に。今冬はさらに減るとみられている。
▽決定打なし
都内で開かれたこの日の調査会。「(現在の結果は)不完全なデータで、(10代への投与中止の)警告について変更する根拠がない」。メンバーの1人、鴨下重彦(かもした・しげひこ)・東大名誉教授はこう述べた。
調査会はタミフルと異常行動の関連を探るため2つの専門家作業部会を設置。動物実験と臨床試験、患者の疫学調査を組み合わせて検討を進めてきた。
ラットなどの動物実験は、タミフルが脳内に入り異常行動の誘因となるかが注目されたが、中枢神経系に大きく影響するとの結果は得られていない。異常行動は睡眠中の患者が目を覚ました直後に起きることが多いことから、健康な人での睡眠試験も行われたが、タミフル服用者の脳波などに特異な変化はなかった。
疫学調査の1つは、昨冬発生した飛び降りなど重度の異常行動例を全国から集めたもの。計137人の該当者のうちタミフル服用は6割で、4割は服用していなかった。もう1つが25日発表された約1万人の患者調査。「服用者には異常行動が少ない」との結果だったが、研究者は暫定的な結論であることを強調している。
調査会の見解について「薬害タミフル脳症被害者の会」の秦野竜子(はたの・りゅうこ)代表は「大掛かりな調査をやった割に、きちんとした結論が出ず残念。厚労省が人選したメンバーではなく、危険性を訴える側の意見やデータも入れながら調査を進めてほしい」と注文を付けた。
▽騒動の効用も
医療現場の反応はさまざまだ。
インフルエンザに詳しい菅谷憲夫(すがや・のりお)・けいゆう病院小児科部長は「流行の最中に方針が変われば現場の混乱を招く。今冬は10代の治療には別の治療薬リレンザを使い、流行終了後にあらためて判断すべきだ」と調査会の判断を支持。「タミフルを使っても使わなくても、インフルエンザで異常行動が起き得ると考え、子どもを慎重に観察することが重要だ」と話す。
一連の騒動の「効用」を指摘する見方も。東京北社会保険病院の神山潤(こうやま・じゅん )医師(小児科)は「『特効薬』などともてはやされた数年前には、飲むのが当たり前という誤解もあったが、落ち着いて考えれば発熱の期間が少し短縮されるだけ。使い過ぎるとウイルスが耐性を持ち、効かなくなる恐れがあることを考えると、一定のブレーキとなった今回の措置には、良い面もあったのではないか」。
有識者談話 突然死の恐れ、全面禁止に
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特定非営利活動法人(NPO法人)医薬ビジランスセンター代表の浜六郎(はま・ろくろう)医師の話 タミフルで一番問題である服用直後の突然死についてほとんど議論されず、不十分な結論だ。メーカー側が提出している脳の中での薬の濃度と死亡率のデータなどを見れば、服用と突然死の相関関係は分かる。異常行動との関係が完全否定されないだけましだったが、これではこの先いくらやっても結論は同じだろう。10歳未満や20歳以上も含め、原則使用禁止にすべきだ