こんにちは、ドクタールウっです。
今回は、医師の意識調査についてです。
医師の自民党支持が激減 大阪府医師会の会員調査で明らかに
記事:Japan Medicine
提供:じほう
【2008年2月13日】
医師の政党支持は、自民党が大きく減り、民主党がここ2年間で劇的に伸長していることが、大阪府医師会の会員意見調査で明らかになった。一連の医療制度改革の流れの中で、政府・自民党に対する不支持が広がっている。また、昨年7月29日の参議院選挙の投票行動をみると、大阪府全般の投票率を大きく上回ることも判明、医師の政治に対する関心が薄れていないことも明らかになった。
この調査は、参院選が終わった直後の7月末日に、診療所長1147人(抽出率16.5%)、病院長537人(100)、勤務医1341人(14.5%)を対象に調査票を発送し、8月10日を第1回回答期限、10月15日を第2回回答期限として集計した。有効回答数・回収率は診療所長が863人(75.2%)、病院長398人(74.1%)、勤務医767人(57.2%)。府医会員意見調査は2年に1度行われている。国政選挙直後に実施したのは初めて。
なお、会員意見調査は、さまざまな医療課題について府医会員の意見を集積しているものだが、全体の集計分析は途上。今回は、特定健診・特定保健指導、レセプトオンライン化、支持政党・投票行動の3点についてまとまった集計結果と結果に対する考察を、大阪府医師会調査委員会(安田光隆委員長)として、いわば速報の形で示した。
病院長は2大政党化先取り
支持政党の動向をみると、今回を過去3回(2001年、03年、05年)と比較すると、診療所長の自民党支持は41.7%→30.7%→37.9%→24.6%、病院長は48.7%→40.1%→42.0%→25.1%、勤務医は31.7%→30.2%→29.3%→21.1%となり、特に診療所長、病院長で支持の減り方が大きい。病院長では自民、民主支持が拮抗(きっこう)する状況もみえる。
一方、民主党は過去3回はいずれの所属でも支持者は1けた台を超えたことがなかったが、今回は診療所長20.7%、病院長24.4%、勤務医19.9%と20%を超えるか、ほぼ達している状況。最も多いのは「支持政党なし」のグループだが、こちらは各所属ともに41.0%-48.0%で、前回より3-8ポイント減っていた。
自民党、民主党以外の今回の政党支持率(注・過去6年間で小規模な政界再編あり)は、診療所長で公明党0.2%、共産党3.1%、社民党1.1%、国民新党2.1%、その他2.1%で、過去3回とは大きな変動はみられなかった。府医は、この調査結果について、「この動向は、小泉政権の非常識な医療費抑制策に深く絶望していた会員の中でも、まだ政治に望みを託していた層が、ついに限界に達して長年伝統的に支持していた政党を見限る用意のあることを明瞭に示したものと理解する」との考察コメントも結果に添えた。
一方、今回初めて行った7月の参院選の投票行動については、大阪府の投票率が55.8%だったのに対して、診療所長82.4%、病院長86.4%、勤務医72.0%が「投票に行った」と回答、政治への参加意識は非常に高いことも明らかになった。
政治への関心の高さ裏付け
調査委の安田委員長、鈴木隆一郎副委員長、中村正廣副委員長らは、「今回の参院選が意見調査実施時期と近かったことから、急きょ調査することにした」ことを明らかにしている。3人の事前予測は「医師の投票率は低いのではないか」とみていたといい、市民を下回る低投票率との結果が出ることも考えて、調査すること自体に論議があったことを示唆しているが、結果は強い関心があり、それが投票行動に結び付いていることを裏付けることになった。
考察では、「支持政党なし」の会員も含めて、医師が政治への主張の反映を強く認識していることを強調するとともに、政治への医師の力は大きく、「医療崩壊に対する危機感が所属を超えて共有されていることが明らかになった」とコメントしている。
なお、昨年の参院選挙では大阪選挙区から医師の梅村聡氏(民主党、当選)が立候補したこと、日医連推薦の武見敬三前参院議員(自民党、比例区、落選)の支持をめぐって近畿では論議があったことなどの要素があるが、調査委は「今回の調査結果に、それらの要素が強く影響したことは考えにくい」としている。
今回、明らかにされたほかの会員意見調査のうち、「特定健診・特定保健指導」に関しては、制度の認知状況を軸に会員意見を求めた。
調査時期が07年度前半ということを割り引いても、医師の制度に対する関心は低く、調査委は「医師の無関心は、この制度への非医療者の無分別な関与を招く可能性があり十分な注意が必要」と述べている。
まず制度の認知状況をみると、診療所長は57.9%、病院長77.1%、勤務医41.7%が知っていたが、診療所長で4割近く、勤務医では5割を超える医師が「知らなかった」。実施主体については、各所属ともに「保険者が直営」は1割程度しかなく、診療所長は5割が「医師会に委託する」、3割が「個々で対応」とし、「事業者に委託」は5.2%しかなかった。
一方、病院長は「医師会」36.1%、「個々」38.2%、「事業者」10.3%で、勤務医は29.8%、29.7%、22.5%の順となっており、勤務医には事業者を選択し、保健師に対応主体を任せたいとの意識もみえている。
参加についてはおおむね5割が参加を表明したが、参加に際しては、研修会の開催、医師会の支援を求める声も大きい。
実施効果については、診療所長、病院長では「医療費の削減」より「QOLの改善」をみる声が上回っているが、勤務医では「医療費」が4割を占めている。
レセプトオンライン化に対しては、診療所長は19.3%が「対応できる」、40.0%が「対応せざるを得ない」、38.5%が「対応できない」としたのに対し、病院長は34.2%、48.0%、15.3%の順で、診療所と病院では対応可能性をめぐって見解が大きく分かれた。
診療所の対応できない理由(重複回答)は、「導入費用が賄えない」「方針に協力できない」と、設備投資負担への不安と、制度化されることの反発があらわになっている。対応できない理由は病院も「費用」を一番に挙げているほか、データの管理体制にも強い不安が示されている。オンライン化によってもたらされることについて(重複回答)は、診療所長の7割が「総枠管理に使われる」とし、「医師の裁量権の喪失」も5割以上が観測。一方で、病院長、勤務医には「事務手続きの効率化」などメリットを挙げる見解が4割あった。
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