こんにちは、ドクタールウです。
こんかいは、小児の投薬についてです。
チョット専門的で難しいかもしれませんですが、子育て中のママ、ガンバッテみてください。
鎮静性抗ヒスタミン薬―小児への処方は見直しを
日本は諸外国と比較して、小児の風邪や花粉症、アトピー性皮膚炎などに鎮静作用の強い第1世代の抗ヒスタミン薬を処方する頻度が異常に高い。子どもは副作用をあまり訴えない。医師側も使い慣れている薬をつい使ってしまうのではないか」――。こう話すのは東北大大学院機能薬理学教授の谷内一彦氏だ。
「鎮静性抗ヒスタミン薬は、欧米の薬理学教科書では睡眠薬としても位置付けられている。脳への移行性が国際的に問題視されており、本来小児では、より警戒しなければいけないはずだ」と谷内氏は指摘する。
脳内への移行に大きな差
谷内氏は、各種抗ヒスタミン薬の鎮静作用の差を「脳への移行率」という形で客観的に評価するため、PETを用いて、抗ヒスタミン薬服用後の脳内H1受容体占拠率を調べてみた(表)。H1受容体占拠率の高さは、実際の鎮静作用の程度と強く相関することが分かっている。
その結果、第1世代抗ヒスタミン薬のH1受容体占拠率は50%以上だったのに対し、第2世代ではおおむね30%以下であることが明らかになった。ただし、第2世代に分類されていても明確な基準はないため、薬剤間で大きな差が見られた。
抗ヒスタミン薬は長期間内服することも多い。谷内氏は「年齢にかかわらず抗ヒスタミン薬は脳への移行が少ない薬剤の方が好ましい。特に小児の場合、学習能力や認知機能を低下させたり、痙攣素因があれば痙攣を誘発する可能性も高い」と警鐘を鳴らす。
医療者側の誤解もある。アトピーの子供などで痒みが強くて眠れないという場合には、第1世代の方が夜眠れてよいという考え方がある。だが、「厳密には夜の睡眠導入効果は得られない」と谷内氏。脳内ヒスタミンは活動期に多く遊離するという日内リズムがあるため、薬剤の鎮静作用は夜間より日中の方が強いのだ。鎮静作用と抗アレルギー作用の強さにも相関はない。
本特集では、広く行われているものの根拠が明確ではなかったり、有効性が疑問視されるようになった医療行為をピックアップ、再検証しました。併せて『日経メディカル』2月号もご覧下さい。
(末田 聡美=日経メディカル)
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