2008年03月10日

タミフルの次はオセルタミビルですか

こんにちは、ドクタールウです。
今回は新種のインフルエンザの続報です。

タミフル耐性インフルエンザの小流行が終息
症状は「感受性」と同じ、リレンザは有効
オセルタミビル(タミフル)耐性ウイルスによるインフルエンザの小規模流行の発覚以後、横浜市衛生研究所は定点観測医療機関を増やすなど、サーベイランスを強化している。しかし耐性ウイルスが検出されたのは1月28日の検体からのみで、その後は、3月3日(第9週検査)まで1度も検出されていない。

 
同研究所長の豊澤隆弘氏は「耐性ウイルスの流行は局地的なもので、既に終息したと考えられる。流行を起こした株は、海外からの流入ではなく、日本で独自に変異したものだったのではないか」などと話している。

 オセルタミビル耐性インフルエンザウイルスによる小流行は、横浜市衛生研究所が今年1月末に実施した感染症発生動向調査のサーベイランスで発覚。耐性株であることは、ウイルスの遺伝子検査で確認した。オセルタミビル耐性ウイルスに特異的とされる、ノイラミニダーゼ遺伝子上の変異(H274Y変異)があった。検体は国立感染症研究所に送られ、現在、薬剤感受性試験などが行われている。
 横浜市の耐性インフルエンザウイルスは、8〜13歳の5人の子ども由来の5検体から見付かった。5例中2例は、横浜市衛生研究所が毎週サーベイランスを行っている定点医療機関(小児科)のうちの1カ所から提出された検体(2例中2例)。3例はインフルエンザで休校となった小学校の児童のうがい液(5例中3例)だった。いずれも検体が採取されたのは1月28日だった。

 5人は従来健常な児童で、兄弟関係はない。定点医療機関と、休校となった小学校は同じ区内にあり、地理的に近かった。
互いに濃厚な接触がない5人の検体から、同じ日にオセルタミビル耐性ウイルスが見付かったため、横浜市衛生研究所は耐性ウイルスによる小流行が起こっていたものとみている。同衛生研究所はこれまでにも、オセルタミビル耐性インフルエンザウイルス(H1N1)を2006年のサーベイランスで2件検出している。ただし異なる日にちのサーベイランスで1件ずつの検出であり、散発例と判断された。同一日時に、同一地区の濃厚な接触のない複数の人から耐性ウイルスが見付かったのは日本で初めてだ。

 
5株に遺伝的な違いは認められず、同一の株と見なされるという。ノルウェーのサーベイランスで、検出されるインフルエンザウイルスの66%を占めるとされるオセルタミビル耐性株(ノルウェー株)と同一、あるいは派生した株かどうかは確認できていない。ただノルウェー株に近いといわれるニュージャージー株との比較では「近いが違う株」(同研究所感染症・疫学情報課長の岩田真美氏)だった。

 横浜市衛生研究所がオセルタミビル耐性ウイルスに感染した患児を診た医師に話を聞いたところ、症状は感受性のウイルスによる感染症の症状と変わらなかった。発熱、上気道炎が主で、一部に関節痛の訴えもあった。

 
定点医療機関の医師は、耐性ウイルスに感染した2人の患児にオセルタミビルを投与したが、症状の改善が見られなかったようだ。休校となった小学校の3人の患児にはオセルタミビルは投与されていない。ザナミビルが処方され、効き目は感受性株と変わらなかった。5人ともその後症状は軽快した。入院などはしておらず、現在は健常に戻っている。

 同衛生研究所は小流行を確認した後、医師会を通じて、オセルタミビルで症状が軽快しない場合には、ザナミビルに切り替えるなどの対応を取るよう呼びかけた。また、一般に向けても、耐性ウイルスを出さないために、オセルタミビル服用中は学校や会社を休むよう広報している。

(小田 修司=日経メディカル)

詳細はこちらから  http://blog.with2.net/link.php?579069

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