こんにちは、ドクタールウです。
しばらくご無沙汰して申し訳ありませんでした。
医療関係者は皆さんそうでしょうが、4月5月は忙しく(特に今年は)と、いいわけします。
さて、今回は「医師不足解消」についての、厚生労働大臣の発言等についてです。
医師が不足しているから、医学部の定員を増やすという安易かつ先見性にかけた法律を
作ろうとしています。
かつて、歯科で失敗した政策を今更持ち出すとは、なんと無策なことか。
かなり長いので二回にわけようと思います。
舛添会議◆Vol.7
「医師を増やす、そのリスクを取るのは政治」
舛添・厚労大臣が明言、医学部定員増の方針を改めて強調
橋本佳子(m3.com編集長)
「医師の数は基本的に増やす方向で行く。医師の配分バランスも改善する。コメディカルとの協同・チーム医療の推進、医療機関などのネットワークの推進なども進める。これらを盛り込んで、5月末、あるいは6月初めまでに方向性を示す。そこから先の数字的なことは、最終的には福田総理と話し、財政的な裏付けも行い、政府全体としての具体的な施策として結実させたい」
委員の一人、独立行政法人国立病院機構理事長の矢崎義雄氏が、「医学部定員増には、将来過剰になったときどうするかなど、リスクが伴う。その覚悟が要るのではないか」などと定員増に消極的な発言をした。これに対しても、舛添大臣は「10年後にどうなっているか、分からない部分もあるが、そのリスクを取るのはまさに政治の仕事であり、高度な政治的判断だ」と言い切った。
前回と同様に舛添大臣と矢崎氏の意見が対立
当初、この日は提言の取りまとめに向けた議論を行う予定だったが、議論の集約には至らず、次回に持ち越された。提言は、以下の5つが柱となる(詳細は文末に掲載)。
(1)医師数について
(2)医師の配分バランスの改善
(3)医療関係職種の業務の分担と協働・チーム医療の推進
(4)医療機関の分担
(5)医療者と患者・家族の協働の推進
この柱から分かるように、中心課題は医師数の扱いだ。前回の第7回会議(「医学部定員増は精神安定剤にすぎず」)と同様、舛添大臣と矢崎氏の意見は平行線をたどった。
矢崎氏は、「(1997年の医学部定員削減の)閣議決定を見直す時期に来ているのは確かだ」と述べたものの、医師養成にはコストがかかるため、国民のコンセンサスが得られるかと疑問視し、「今の医学教育のキャパシティーの範囲内で行うべき」との見解を述べた。その前提として、(1)自治医大方式を採用するなど、医師の養成システムを抜本的に変える、(2)診療科による偏在をなくすために、専門分野ごとに養成目標を作る――ことを挙げ、安易な医学部定員増に釘を刺した。
これに対し、舛添大臣は、「これだけ医師は激務なのだから、医師数が突然2倍になったとしても、普通のノーマルな勤務時間にすれば、(医師数は変わらないことと)同じ。この会議では今後の方向性をいただいて、最終的には政治が決断する。それがリスクを取るということだ」と、医師数増に強い意欲を見せた。